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ムズムズ脚症候群と周期性四肢運動障害

[2024.10.08]

今回も睡眠障害のお話です。ムズムズ脚症候群ですが、開業する前はこんなに多いと思っていなかった疾患の一つです。

ムズムズ脚症候群は、ムズムズするなどの足の異常な感覚がじっとしている時におこる病気です。とくに寝る前にムズムズが強くなるため、なかなか寝つけずに不眠の原因となることが多いです。また、ムズムズした異常な感覚に足のぴくつき(周期性四肢運動障害)を伴うことが多く、共通した病態があると考えられています。

ムズムズ脚症候群の方と実際に外来でお話しすると、「足がしびれる」、「足が痛い」、「足がピクピクする」、などの訴えで受診される方が多いです。じっとしていると症状が出やすいこと、夕方から夜にかけて症状が出やすいこと、症状が運動(歩き回る人が多いです)で良くなること、などが問診ではっきりしたら、その時点でほぼ診断がつきます。足以外にも手や体幹の異常感覚を訴える方も少なくないので、診断が若干難しいこともありますが、前述の特徴がはっきりしていれば、ムズムズ脚症候群を強く疑ってよいと思います。

ムズムズ脚症候群の原因の多くは、鉄欠乏に伴う脳内鉄の欠乏とその利用障害、および鉄欠乏に伴った神経伝達物質であるドーパミンやグルタミン酸の機能障害によるとされています。したがって治療では(鉄不足の場合)まず鉄分の補充を行い、改善しない場合、ドーパミン作動薬(ビ・シフロールやニュープロパッチなど)やグルタミン酸の遊離を抑制する薬(ガバペン、レグナイトなど)の内服をおこなうことで、周期性四肢運動障害とともに症状の改善が期待できます。鉄欠乏以外の要因としては、慢性腎不全で人工透析している方、パーキンソン病や糖尿病、妊婦、などでおこりやすいとされています。

ムズムズ脚症候群と鉄欠乏に関してはこちらもご覧ください。

 

 

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