レケンビ(レカネマブ)
最近お問い合わせが多い薬。アルツハイマー病の進行を抑える薬=レケンビ (レカネマブ) が、もうちょっとで国内販売開始されます。おそらく11月末には薬価が決まり、年内には販売開始ということになるようです。この薬はアルツハイマー病の発生機序仮説の一つであるアミロイドβ仮説(脳内に異常蛋白であるアミロイドβが蓄積→神経細胞毒性により、神経細胞死に至る)に基づいた治療薬です。レケンビはこのアミロイドβに対する抗体であり、アミロイドβと結合して貪食細胞に取り込まれ、脳内から除去してしまうというものです。この薬によってアルツハイマー病による臨床症状の悪化が27%抑制されたとのことですから、効果は明らかなようです。国内販売が待たれますが、問題は薬価(薬の値段)です。米国では年間26500ドル、日本円にして年間397万円(2023年11月25日の為替レート1ドル150円換算)超の高額なもの。誰にでも、すぐに利用できるようなものではないですね。しかし、この薬の適応である軽度認知障害と軽度認知症の方には、福音の一つであることは間違いないでしょう。どのような施設や医師が薬を使えるのかも、まだ詳細なガイドラインが発表されておらず、薬価を含めたアナウンスが待たれます。