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レビー小体型認知症

[2025.03.13]

もの忘れ外来にて、「うちの中に知らないこどもがよくいます」、「急に忘れっぽくなることもあるけど、しっかりしているときは問題ないんです」こんな訴えがたまにあります。これだけでもレビー小体型認知症の疑いですが、手のふるえや動作緩慢、筋固縮、などの症状があり、頭部MRIにて画像的に目立った頭蓋内病変がなければ、レビー小体型認知症の診断がほぼ確実となります。

レビー小体型認知症は認知症の10〜30%をしめ、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、とともに三大認知症の一つです。前述した「幻視」や「症状の日内変動」「パーキンソン症候」の他に「レム睡眠行動障害」が特徴的な症状です。認知機能低下とともに、上記三つの症状のうち二つがあることで診断となります。

治療薬としては、ドネペジルの投与が保険適応で認められています。リバスチグミンやガランタミンも海外からの報告では効果かあるようですが、日本では保険適応になっていません。ドネペジルは、認知機能低下の予防効果の他、幻視や認知症状の日内変動に効果があります。その他、パーキンソン症候に対しては抗パーキンソン病薬、レム睡眠行動障害に対してはクロナゼパムなどが使用されることが多いです。

レビー小体型認知症の行動・心理症状(BPSD)に対しては、不用意に抗精神薬をとうよするとが効きすぎる(薬剤過敏性)場合があります。そのため、ドネペジルや前述した薬剤が効かない場合のみ、抑肝散や微量の抗精神薬を使用することにしています。

レビー小体型認知症。レビーさんはレビー小体の発見者で、レビー小体型認知症を発見し、世界で初めて報告したのは日本人の故小阪憲司先生です。先生のご功績をたたえ、ご冥福をお祈りいたします。

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