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不思議の国のアリス症候群

[2026.06.11]

不思議の国のアリス症候群(AIWS: Alice in Wonderland Syndrome)は、物の大きさや距離、自分の体のイメージ、時間の進み方などが実際とは異なって(ゆがんで)感じられる症候群です。ルイス・キャロルの童話『不思議の国のアリス』で、アリスがケーキ (Eat Me) を食べて巨大化したり、飲みもの (Drink Me) を飲んで小さくなる描写にちなんで、1955年にイギリスの精神科医ジョン・トッドによって名付けられました。名前はインパクトがあり有名な症候群ですが、実際に患者さんからの訴えをお聞きすることは少ないです。

主な症状

この症候群の最大の特徴は、「視覚は正常だが、脳における視覚情報処理の段階に問題がある」という点です。幻覚とは異なり、本人は「見え方がおかしい」と自覚していることがほとんどです。

①視覚・空間のゆがみ

大視症:目の前にあるものが実際よりも異常に大きく見える。

小視症:すぐ近くにあるものが、遠くにあるように小さく見える。

②身体イメージのゆがみ

自分の手足が巨大化したように感じたり、体がすごく縮んでしまったように感じたりする。

③時間感覚のゆがみ

周囲の動きや時計の針が、早送りのように猛スピードで動いているように見えたり、逆にスローモーションのように見えたりする。

原因

さまざまな原因によって引き起こされる症候群です。主に脳の視覚や空間認識を司る部分(頭頂葉、後頭葉など)の一時的な血流変化や過剰な興奮が関係していると考えられています。

①こどもに見られる一過性の症状

これがもっとも多い。幼児期から10歳前後にかけて、寝入りばなや発熱の際に見られることが多い。多くは成長とともに症状消失。

②片頭痛やてんかん発作

片頭痛の前兆やてんかん発作の症状の一部として見られることがあります。

③EBウイルス感染

感染による脳炎や脳症の症状として見られることがあります。

その他、過度なストレスや疲労、睡眠不足などで見られることがあります。

多くの場合は成長に伴う一時的なもので、心配はいらないケースがほとんどです。ただし、症状が頻発する場合や、激しい頭痛・高熱などを伴う場合は、②や③の可能性があるため、医療機関(脳神経外科、脳神経内科、小児科)の受診をおすすめします。

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