交代勤務睡眠障害(Shift Work Sleep Disorder: SWD)
[2026.07.08]
交代勤務睡眠障害(Shift Work Sleep Disorder: SWD) とは、夜勤や早番・遅番などの交代勤務によって体内時計(概日リズム=サ―カディアン・リズム)が乱れ、十分な睡眠がとれない、または勤務中に強い眠気が生じる病気です。日本の全就労人口の約20%を占める交代勤務者の80%にみられると推計され、交代勤務に伴って下記のような症状が出現する場合に診断されます。
主な症状
- 日中の眠気:夜勤帯や勤務中に強い眠気に襲われ、数秒間の気付かない居眠り(マイクロスリープ)が発生する。
- 入眠困難・中途覚醒:夜勤明けの昼間に寝ようとしても寝付けず、途中で何度も目が覚める。
- 慢性的な疲労感:睡眠時間が通常より1〜4時間短くなり、寝ても疲れが取れない。
発症の原因
- 体内時計のズレ:私たちの身体には約24時間周期の体内時計(概日リズム=サ―カディアン・リズム)があります。通常朝は光を浴びて目が覚め、夜は眠くなる、というリズムで生活しています。しかし夜勤では、このリズムに逆らって活動しなければならないため、脳と身体に不調をきたすと言われています。
- メラトニンの分泌低下:夜勤中の照明によって、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が妨げられることも不調をきたす一因です。
健康へのリスク
- 心筋梗塞・脳卒中などの血管疾患リスクが約1.2倍に上昇するほか、糖尿病などの発症リスクが高まります。
- うつ病、不安障害の発症リスクが2倍近くに高まる。
- 集中力や注意力の低下によって、仕事でのミスや、帰宅時の交通事故を引き起こしやすくなる。
日常生活における対策
- 睡眠環境の調整:寝室は遮光カーテンで完全に暗くする、アイマスク・耳栓の利用、家族に睡眠を邪魔しないよう協力してもらう。
- 遮光対策:夜勤明けに朝の光を浴びると脳が覚醒するため、帰宅時はサングラスを着用する。
- 計画的な仮眠:夜勤の直前に30分程度、あるいは夜勤中に15分程度の仮眠をとることで、勤務中の眠気を軽減できます。
- カフェインをとるタイミング:コーヒーやお茶などのカフェイン含有物は、勤務開始時に摂取して眠気を抑え、帰宅前の4〜5時間は睡眠の妨げになるため摂取を控えましょう。
症状が3ヶ月以上続き、日常生活や仕事に支障が出ている場合は、睡眠外来、精神科、心療内科などの受診をおすすめします。太田市、および隣接する伊勢崎市、大泉町には交代勤務制を採用する企業・工場が多数存在するため、SWDの方が比較的多いと思われます。当院では上記生活指導とともに、必要な場合はオレキシン受容体拮抗薬などの睡眠導入薬、メラトニン受容体作動薬、などを使用した治療をおこなっています。
