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拍動性の耳鳴り

[2026.06.10]

当院を耳鳴りで受診される方は、耳鼻科を受診された後、精査目的で来院される場合がほとんどです。今回とりあげる拍動性耳鳴りは、耳の奥や頭の中で「ザーザー」「ドクンドクン」など、心臓の拍動と一致したリズムで聞こえる耳鳴りのことです。​一般的な「キーン」という高音の耳鳴りとは異なり、拍動性耳鳴りの多くは「耳の周りを通る血管の音」が、実際に聞こえている場合が多いです。

​拍動性耳鳴りが起こる主な仕組み

音を聞く器官である内耳や中耳のすぐ近くには、脳へ血液を送る内頸動脈や、脳から血液を戻す内頚静脈、脳静脈洞が走っています。通常、これらの血管を流れる血流の音は聞こえませんが、以下のような原因で音が響いて聞こえるようになります。

1. 血流が乱れて激しくなっている

​血管が狭くなったり、血管の壁に凹凸ができたりすると、血液の流れが乱れて「ザーザー」という血管雑音が発生します。その原因としては次のようなものがあります。

  • ​内頸動脈の動脈硬化: 血管の壁が硬く・厚くなり、血液の通り道が狭くなって音が大きくなります。
  • 血管の異常や変形: 硬膜動静脈瘻や、内頚静脈・脳静脈洞の狭窄や憩室形成などです。

​2. 体全体の血流量が増えている

貧血甲状腺機能亢進症になると、体全体の血流が速くなるため、血流音も大きくなり、耳鳴りの原因になります。

​3. 音を遮る壁が薄くなっている

​音を聞くための器官である内耳や中耳が入っている側頭骨の中では、内頸動脈や内頚静脈、脳静脈洞などの太い血管と、内耳・中耳が薄い骨で隔てられています。この隔壁が生まれつき、あるいは加齢などで薄くなったりすると、これら太い血管の血流音が響くようになります。

病院を受診する際の目安

拍動性の耳鳴りがある場合、まずは耳鼻咽喉科を受診するのが基本ですが、拍動性耳鳴りが数日以上続く場合や、拍動性耳鳴り以外に、頭痛やものが二重に見える、手足のしびれや脱力、などの症状がみられたら脳神経外科受診をおすすめします。当院では頭部MRIや頭部・頸部のMRA(MRIによる動脈撮影)、頭部MRV(MRIによる静脈撮影)などの検査で拍動性耳鳴りの原因究明・治療が可能です。

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