歯が痛い=三叉神経痛?
最近、三叉神経痛の患者さんが受診されることが多く、三叉神経痛について簡単にまとめてみました。
三叉神経痛とは
三叉神経痛は頭部から顔面の激しい痛み(電撃様疼痛といわれる)を訴える病気です。50代~70代の女性に多く見られ、数秒から数十秒、長くても数分以内の痛みが、間欠的に片側の顔面にみられます。痛みは、触れると痛くなる場所=トリガーポイント(口唇周囲、頬、鼻翼、など)を持ち、食事、洗面、歯みがき、温度変化(寒くなると痛みが強くなる)、などの痛みを誘発するトリガーがあることも特徴です。痛む範囲は、一側の三叉神経第2枝領域(上顎の歯・歯肉、上口唇、頬)、第3枝領域(下顎の歯・歯肉を含む下顎)がほとんどであるため、歯や歯肉の痛みで発症することも多く、歯科受診を経て三叉神経痛と診断されるケースが約70~80%にのぼる、との報告もあります。『奥歯がいたい』→『歯科受診』→『歯科治療でも痛みが治まらず、脳神経内科・脳神経外科へ紹介受診』のパターンですね。
三叉神経痛の診断
診断は、前述の特徴的な臨床症状と、頭部MRIを撮影して『頭蓋内で三叉神経が血管で圧迫されている所見』を確認することが重要です。
三叉神経痛の治療
治療は、抗てんかん薬であるカルバマゼピンや、神経障害性疼痛の治療薬であるプレガバリン、ミロガバリンなどの薬物治療が優先されます。薬物治療の効果が充分でない場合、①神経ブロック、②放射線治療(ガンマナイフやサイバーナイフ)、③開頭手術(顕微鏡下に三叉神経への血管圧迫を解除する手術)がおこなわれます。当院でも、まずは薬物治療をおこない、状況に応じて、①〜③の治療法をおすすめしています。
参考:脳神経外科疾患情報ページ
特発性三叉神経痛と症候性三叉神経痛
このブログで記載した三叉神経痛は、頭蓋内血管による三叉神経圧迫で起こる、特発性三叉神経痛です。特発性三叉神経痛のほかに、脳腫瘍、脳血管障害、外傷、副鼻腔炎、帯状疱疹後神経痛、歯科的疾患、などが原因で起こる、症候性三叉神経痛もあり、頻度は、特発性:症候性=9:1程度とされています。
