認知症のおはなし
11月27日、太田市の認知症ステップアップ講座で認知症のおはなしをしてきました。まず、厚生労働省研究班による2012年と2024年の認知症有病率調査の比較で、認知症有病率が高齢者の15%(2012年)から12.3%(2024年)に減少しており、今後の認知症有病率推測でも、これまでの予測よりも大幅に有病率の低下が期待できるという、心強い結果だったことをおはなししました。有病率が低下した理由として、①軽度認知障害から認知症へのコンバージョンが減少しているらしいこと、②この10年ほどの認知症予防策が奏効しているらしいこと、などもおはなししました。認知症予防策とは、①高血圧や糖尿病、高脂血症など、動脈硬化危険因子の厳密な管理、②日常的な散歩の習慣など、有酸素運動の奨励、③MRI評価(脳萎縮、慢性虚血性変化)によるフォロー、および動脈硬化危険因子管理へのフィードバックなど、当クリニックでは開院以来実践していることばかりです。これらの予防策は地道な作業のくり返しですが、地域包括センターや行政の方々と連絡をとりながら、患者さんとともに歩いていければいいなと思います。