頭痛で目が覚める。
『夜中に頭痛で目が覚める』。なにか良くないことがおこってるんじゃないかと不安になると思います。こんな時はまず頭のMRIとMRAを撮って、脳卒中(脳出血やくも膜下出血)や、動脈解離、可逆性脳血管攣縮症候群 (RCVS) など血管病変の有無を調べた方が良いです。頭痛全般に言えることですが、最初に命にかかわる頭痛ではないことを確認することが重要です。
頭部MRIとMRAで問題なければ、睡眠時頭痛などの一次性頭痛を考えて、診断・治療を進めていくことになります。睡眠時頭痛は、『めざまし時計頭痛』と言われるほど、ほぼ決まった時間に起こり、50歳以上の女性に多く見られます。痛みのタイプは、緊張型頭痛のような頭全体の重い痛みが多いとされていますが、拍動性頭痛がみられることもあり、一定ではないようです。治療はカフェインが有効とされていますが、カフェインを含むコーヒーや紅茶、煎茶などのお茶、ココアやチョコレートも有効です。
カフェインは頭痛時だけではなく、寝る前に内服することで予防効果もありますが、眠れなくなると困るので、まずはインドメタシンなどの寝前服用をおすすめすることが多いです。他の予防的な治療としてはリチウム、トピラマート、メラトニン、アミトリプチン、インドメタシン、などが有効との報告があります。
診断基準は、下記の4つを満たす、繰り返す頭痛発作です。
① 睡眠中にのみ頭痛発作が起こり、覚醒の原因となる。
② 月に10日以上、3ヶ月を超えて起こる。
③ 覚醒後15分以上、4時間まで持続する。
④ 頭部自律神経症状や落ち着きのなさを認めない。