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風花

[2025.02.26]

地元の方には当たり前でも、他の土地の人にとってはそうでない事柄は意外とよくあります。わたしが当地に住むようになって最も驚き、感動したことの一つが『風花』です。赤城山頂に降り、積もった雪が赤城おろしに吹かれて風下の町に舞い落ちる風花。その由来をきいて、頭に浮かんだのが心原性脳塞栓症です。

心原性脳塞栓症は脳梗塞の原因の約30%を占めるもので、ほとんどの場合不整脈(心房細動がほとんどで、かつ最も多い)が原因で左心房の中にできた血栓が、動脈血にはこばれて脳血管(内頸動脈、椎骨動脈系の動脈)をふさぎ脳梗塞を起こしたものです。

心原性脳塞栓症の診断は不整脈の同定(心電図や24時間記録のホルター心電図)や心房内血栓の有無確認(心臓超音波検査など)が重要です。治療は不整脈の治療(薬物療法やアブレーションなどの外科的治療)と血栓形成の予防(ワーファリンやDOACなどの抗凝固薬内服)が重要となります。脳梗塞が発症したばかりの急性期にはtPA投与などの血栓溶解療法やカテーテルによる血栓回収療法がおこなわれますが、できれば脳梗塞にならず、予防的な治療のみで過ごせれば良いことはいうまでもありません。

心房細動の症状は動悸が最も多く、その他には胸部不快感やめまい、息切れ、倦怠感などがあります。自覚症状がないことも多く、健康診断で見つかることもあるため、心房細動と診断された場合は、治療方針について主治医とよく相談しましょう。

写真では、白い点状に見えているのが風花です。

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