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耳が痛い!

[2025.12.14]

頭痛外来を訪れる方から「耳を含めて頭が痛い」との訴えを、お聞きすることがあります。最近、そのような訴えの方が続いたため、耳の痛む原因について勉強しなおし、まとめてみました。耳の痛み(耳痛)の原因としては、外耳炎中耳炎などの耳科的疾患がやはり多く、その他顎関節症咽頭炎歯痛の放散痛、などがあります。当院には、耳鼻科受診後に痛みが軽減しないことから受診される方が多く、その場合、痛みの原因のほとんどが神経痛でした。神経痛は、「ズキンとする」「刺されるような」「電気が走るような」などと表現される突然の痛みが、繰り返し起こることが特徴です。数秒から数分続く痛みが、『いったん治まり、くり返す』ことが診断の要点と考えています。ここで、耳(耳介、外耳道、鼓膜、中耳腔)の知覚支配について整理したいと思います。

耳の知覚神経について

耳介の知覚神経

部位 神経
耳介の上半分と耳介後上方 小後頭神経
耳介の下半分と耳介前下方、後下方 大耳介神経
耳介の前上方 三叉神経第3枝

外耳道の知覚神経

部位 神経
外耳道の上半 三叉神経第3枝
外耳道の下半と耳甲介の一部 迷走神経(Arnold神経)

鼓膜と中耳の知覚神経

部位 神経
鼓膜の外側面 迷走神経
鼓膜の内側面、中耳 舌咽神経

神経痛が疑われる耳痛について

これらの神経支配から、神経痛が疑われる耳痛の場合、以下の可能性が考えられます。

  • 後頭部から耳介の上にかけての痛みは小後頭神経痛
  • 後頭部から耳介の下にかけての痛みは大耳介神経痛
  • 耳介前方から外耳道前上面にかけての痛みは三叉神経痛

外来診療での頻度は、小後頭神経痛が圧倒的に多く、大耳介神経痛はまれ、三叉神経痛は極めてまれ、という印象です。治療は他の神経障害性疼痛と同じく、プレガバリンミロガバリンカルバマゼピン、などの薬剤が有効です。耳の痛み、特に後頭部まで痛みがおよぶ場合は、上記神経痛も疑う必要がある、というお話でした。

なお、舌咽神経と迷走神経が関与する耳痛は、鼓膜を含めた中耳炎、外耳炎などの炎症や、同神経が支配している舌後方や咽頭・喉頭の痛みからの放散痛、であることが多いと思われ、これは耳鼻咽喉科の先生の受け持ち範囲ですね。

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