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ApoE遺伝子の新たな知見

[2024.05.13]

この度、Nature Medicineという有名な医学雑誌に、アルツハイマー型認知症(AD)の発症に影響する遺伝子の一つである、APOE(アポイー)遺伝子について、興味ある報告がありました(2024年5月6日のNature Medicine電子版)。それによると、APOEの遺伝子型がε4/ε4の519人全例で、①ADが発症していた、②65歳までにアルツハイマー病の初期の重要な病理学的特徴である脳脊髄液中のアミロイド値の異常が見られた、とのことです。また、遺伝子型がε4/ε4の方は、ADの平均発症年齢が65.1歳と、その他の場合と比べて7〜10歳若かったようです。

ちなみに、現時点でAPOE遺伝子は、あくまでもAD発症のリスク因子の一つであり、本HPの脳ドックのページでは、APOE(アポイー)遺伝子について、次のように記載されています。「APOE遺伝子はアルツハイマー型認知症(AD)の発症に影響する遺伝子の一つで、主にε2、ε3、ε4の3種類があり、二つ一組(たとえばε2/ε3やε3/ε4など)で遺伝子型を構成しています。ε4遺伝子が多いほど、ε2、ε3だけの場合と比べてADの発症リスクが高くなり、ε4/ε4の場合、ε3/ε3の場合と比べて、11.6倍もADになるリスクが高いとされています。」

今後、今回の報告の結果が間違いないと確認されれば、APOE遺伝子が遺伝性アルツハイマー病の原因となる遺伝子の一つとして認知されていくと思われます。あらかじめ遺伝子型がわかっていれば、発症前に積極的治療(たとえばレカネマブ投与のような)が可能となる場合もあると思われ、患者さんにとってはよろこばしいことだと思います。

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