てんかん外来
てんかん
てんかんは、大脳の神経細胞が過剰に興奮するために、てんかん発作が繰り返し起こる病気です。発作は突然おこり、けいれんなど、通常とは異なる様々な症状があらわれます。
日本では約100万人のてんかん患者さんがいるといわれており、約100人に一人はてんかんということになります。こどもの病気というイメージが強いですが、人口の高齢化に伴って、高齢者のてんかんが増加しています。
高齢者のてんかん
てんかんには全身けいれんを伴う発作だけではなく、様々な症状の発作があることを、まずは理解することが重要です。
高齢者のてんかん発作の8割前後はけいれんを伴わない発作といわれています。私の経験では9割以上がけいれんを伴わない発作《急にぼーっとして一点を見つめる、口をくちゃくちゃしたり、もぞもぞと落ち着かないような動きをする、などの症状》という印象です。けいれんを伴わないため、周囲の家族も気づくのが遅れがちです。『おじいちゃん、最近ぼーっとしてることが多いんだよね。ちょっとぼけてきたのかしら』と、認知症を疑われて受診される方も多いです。
けいれんなどの目立つ症状だけではなく、最近急にもの忘れが目立つようになったとか、ぼーっとするようになった、などの症状があるときは、受診をお勧めします。
てんかんの診断・治療
問診でてんかんを疑い、脳波や頭部MRIで診断をおこないます。てんかんの診断がついたら、適切な抗てんかん薬を内服することで8割程度の方で良好な発作コントロールが得られるといわれています。
脳波検査
てんかんの診断とフォローアップには脳波検査が必須です。従来の脳波検査では、①脳波の電極取り付けに時間がかかる、②適切な脳波測定には熟練した臨床検査技師の技術が必要、などの問題点があり、これらがクリニックでの脳波検査普及をさまたげてきた一因と考えます。このたび、日本光電の脳波計《EEGヘッドセットAE-120A》を導入いたしました。AE-120Aは救急や集中治療の現場で使用されている脳波計で、簡単な短時間での電極取り付けと迅速な脳波検査が可能になりました。