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レストレスレッグス症候群

レストレスレッグス症候群の診断と治療

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、下肢の不快感によって不眠となる、睡眠に関連した運動障害です。日本におけるレストレスレッグス症候群の患者さんは人口の2%~4%程度といわれており(日本では200万~400万人) このうち治療が必要なのは70万人程度と考えられています。中年以上の 女性で多く、男性の1.5倍といわれています。

次の4つの特徴があると診断できます。①足の異常感覚が原因で脚を動かしたい、という強い欲求がある。②その異常感覚は安静で始まる、または安静で増悪する。③運動によって症状が改善する。③日中より夕方から夜間に増悪する。

典型的な症状は、夕方から夜にかけて、下肢を中心として、「ムズムズする感じ」「痛がゆくて我慢できない」「火照るような感じ」といった異常な感覚がでてきます。足を動かすと異常な感覚はなくなりますが、寝ようとしてじっとするとまた出てくるため、十分に眠ることができず、昼間もうとうとすることが多くなります。

レストレスレッグス症候群の原因は、鉄欠乏に伴う脳内鉄の欠乏とその利用障害、および鉄欠乏に伴った神経伝達物質であるドーパミンやグルタミン酸の機能障害によるとされています。したがって治療ではまず鉄分の補充を行い、改善しない場合(あるいは並行して)ドーパミン作動薬(ビ・シフロールやニュープロパッチなど)やグルタミン酸の遊離を抑制する薬(ガバペン、レグナイトなど)の内服をおこなうことで症状の改善が期待できます。

鉄欠乏について

鉄欠乏性貧血は女性によくみられる貧血であり、ヘモグロビンやヘマトクリット値が鉄欠乏の指標として使われます。これに対してレストレスレッグス症候群の鉄欠乏を補正する場合は、フェリチンの値が使われます。フェリチンは、鉄の貯蔵および血清鉄濃度の維持を行う蛋白で、組織中の鉄濃度によって変化し、血清フェリチン濃度は、体の貯蔵鉄量とよく相関することが知られています。鉄が不足する場合は、フェリチン →血清鉄 →ヘモグロビンの順番で減少していきます。このように、フェリチンは鉄欠乏の最も鋭敏な指標であり、ヘモグロビン値が減少しているとすでに重度の鉄欠乏状態にあるということです。日本鉄バイオサイエンス学会によるフェリチンの基準値は男女とも25~250 ng/mLであり,12~25 ng/mLは貯蔵鉄の減少,12 ng/mL以下は貯蔵鉄の枯渇としています。貯蔵鉄が減少、または枯渇すると下記のような症状が見られるようになります。このような理由から、レストレスレッグス症候群での鉄分補充は血清フェリチン濃度50ng/mL以上となっています。

①骨・皮膚・粘膜の障害(あざ、コラーゲン低下による骨・肌異常、爪・毛髪・舌異常)

②知能・情動への影響(不眠・集中力低下・学習障害・うつ・パニック障害)

③ホルモンへの影響(甲状腺ホルモンの成熟障害、不妊症)

④白血球・免疫への影響(抵抗力の減少)

⑤消化系に及ぼす影響(嚥下障害、食欲不振、下痢、便秘、氷を好んで食べる)

⑥いわゆる不定愁訴:頭痛、イライラ、耳鳴り、肩こり、寝坊癖、疲労、レストレスレッグス症候群など

 

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