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スポーツ貧血

[2024.04.07]

 

 

最近、アスリートの受診が続きました。「最近調子が悪い、同じようにやってもパフォーマンスがよくない」との訴えです。診察上も特に問題なく、採血をしてみます。血中ヘモグロビン濃度は問題ない。でも、ありました。血清フェリチン値が低く、血清鉄も低値です。よく見ると、ヘモグロビン値も12〜13g/dLと正常範囲のぎりぎり下限です。これはスポーツ貧血とよばれるもので、アスリートによく見られるものです。アスリートは激しい運動、大量の発汗によって鉄欠乏になりやすく、鉄分やビタミンのサプリメントを普段から摂取している人も多いようです。競技のパフォーマンスが落ちたときには鉄欠乏(=スポーツ貧血)を疑いますが、ヘモグロビン値が正常範囲なため治療がなされず、袋小路に陥っている場合も少なくないでしょう。アスリートは競技における酸素需要が一般の人と比較して高いため、ヘモグロビン濃度の正常下限は一般の人よりも1〜2g/dLほど高いようです。加えて血清フェリチン値(貯蔵鉄)が低い場合は、スポーツ貧血と考えて鉄剤内服による治療が必要だと思います。血清フェリチン値は鉄欠乏の最も鋭敏な指標であり、鉄分補充の目安は血清フェリチン濃度50ng/mL以上が目標となっています。適切な鉄分補給をおこないつつ、トレーニング頑張ってください。ファイトです!

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