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片頭痛の治療

[2025.04.30]

2023年6月に当院を始めてから、数多くの頭痛に悩む患者さんが来院されました。その中でも、片頭痛の患者さんは、①正確な診断がされておらず、適切な治療がされていない、②診断はされており、トリプタン製剤は内服しているが予防的治療がされていない、③予防的治療もされているが効果が不十分、などの問題をかかえている方が多いようです。2025年4月現在、当院でおこなっている片頭痛の治療は、頭痛の診療ガイドラインに基づき、次の三つをおこなっています。

①トリプタン製剤を中心とした内服による急性頭痛発作のコントロール。

②月3回以上の頭痛発作など、適応のある方に対して、内服薬による予防的治療(抗てんかん薬、抗うつ薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、など)。

③希望される方に対して抗CGRP製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)の皮下注射による予防的治療。

片頭痛の診療は日進月歩であり、これまでに二つの大きな転換点があったと思います。一つは2000年のトリプタン製剤の登場で、もう一つが2021年の抗CGRP製剤販売開始です。当院では開院以来83人の方に抗CGRP製剤を投与してきましたが、無効例は3例のみであり、ほとんどの方が頭痛を心配しなくてすむ日常を取り戻しています。抗CGRP製剤を投与し、頭痛発作をコントロールすることで、卒薬(将来的に予防的治療や急性期治療が不要になる)が可能となる、という報告もあります。卒薬に関する報告はまだ少ないですが、10~20%の方が卒薬可能で、片頭痛の罹患期間が短く、まだ慢性片頭痛(月15日以上の頭痛発作あり)に移行していない方で卒薬しやすいようです。新しい知見をどんどんとりいれて、診療に生かしていこうと思います。

 

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