なかまクリニック

タレントのひろみちおにいさんが脊髄梗塞になったことを公表されました。公表はとても勇気のいることで、頭が下がります。この病気について少しでも知ってもらうため、当ブログでもとりあげてみます。脊髄梗塞は全脳卒中の 1 ～2 ％と稀な疾患です。症状は突然の背中の痛みで始まり、急速に両足の麻痺と感覚の低下（温度覚と痛覚）が進行します。発症部位は胸髄が多いとされており、対麻痺と膀胱直腸障害が後遺症となることが多いです。脊髄梗塞発症の平均年齢は50～60代ですが、若い人にもみられることがあります。原因としては半数程度が大動脈手術の周術期に合併症として起こるといわれています。そのほかの原因は、大動脈瘤やアテローム血栓症、大動脈解離、血管奇形、血管炎、椎間板ヘルニアなどがあり、20%程度が原因不明とされています。脊髄梗塞の診断は、脳梗塞と同様、MRI 撮影が威力を発揮します。原因をみると、半数以上が大動脈の病気で占められており、動脈硬化の進行をおさえることが予防の基本だと思います。ひろみちおにいさんが少しでも回復されることをいのります。